「久留女木の棚田」@中日新聞コラム「静岡発こう読む」 (通算85回目)
2022年10月30日
08:00
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中日新聞「静岡発こう読む」
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久留女木の棚田
本日 10月30日付の中日新聞 (朝刊) に
コラム「静岡発こう読む」 (通算85回目) を
寄稿させていただきました。
タイトルは
「久留女木の棚田」です。
URL https://www.kurumeki.com/





コラム「静岡発こう読む」 (通算85回目) を
寄稿させていただきました。
タイトルは
「久留女木の棚田」です。
URL https://www.kurumeki.com/

棚田はあまりに美しい。
その美しい景観は日本の原風景そのもので、
私たち日本人の心を魅了し続ける。
棚田とは山の傾斜地に作られた田んぼで、
先人たちが山や谷を切り開き、
石垣を積み上げて作った、
先人たちによる知恵と苦労の結晶そのものである。
1997年に農林水産省は「日本の棚田百選」を選定した。
URL https://www.maff.go.jp/j/nousin/tanada/attach/pdf/tanadasen-1.pdf
その一つが浜松市北区引佐町にある。
「久留女木の棚田」だ。
総面積約 7.7 ha、その中に 800枚ほどの田んぼがある。
その歴史はとても古く、
平安から室町時代に起源すると言われているが、
戦国時代に井伊家の庇護の下、
開墾が進んだと考えられている。
そしてこの棚田を守り、
次世代に継承するためボランティア活動をされているチームがある。
「久留女木竜宮小僧の会」の皆さんだ。
会長の西本有一さん、事務局の鈴木一記さんが中心だ。
まさに地域のヒーローだと思う。素晴らし過ぎる。
私も、微力ながらこの活動を応援したく、
2018年からこの会の「サポーター」になっている。
会員になると、年 3回のイベントに参加できる。
6月の「田植え体験会」、
10月の「稲刈り体験会」、
12月の「収穫祭」だ。
そして先週の週末、絶好の秋空の下、
この棚田で子どもたちと一緒にみんなで「稲刈り」に参加した。
黄金色に輝く秋の田んぼも美しい。
みんなで「スガイ」 (収穫した稲を束ねるための紐) を作り、
その後稲刈りをした。
刈った稲をスガイで束ねて「稲架 (はさ) 掛け」し、
天日乾燥をさせる。
ここまでの「農作業」を参加者みんなで共有できるのだ。
私がこの活動が本当に素晴らしいと思うのは、
このような農作業を誰もが楽しく経験、体験することで、
参加者の方たちに農業やコメそのものに対する本質的理解を促し、
農家の皆さまに対するありがたさ、感謝の気持ちが育まれることだ。
もちろんこの美しい棚田を次世代に継承してゆくことにも大きな価値がある。
もっと多くの皆さまが賛同し、応援してくれると良いと思う。