「Go To」キャンペーンは
確かに日本の観光地を救済していると思う。
先日泊まった旅館さんでは
「前年比 130%の稼働」だと言う。
コロナ禍の中、
マイクロツーリズム (地元客) の掘り起こしが
やはり「鍵」だと思う。
そんな中、
やはり地に足の着いた、
未来志向の温泉観光地と言えば、
兵庫県の城崎 (きのさき) 温泉だろうと思う。
今、苦難に喘ぐ温泉地こそ、
この城崎温泉の「考え方」「理念」から
多くのことを学べるはずだ。
そして
「地域のリーダーシップ」とは
こうでなくてはならないと本当に思う。
志賀直哉が愛した、
城崎温泉は
この先もきっと不滅だ。
なぜなら
その「まちづくり哲学」に
過去、現在、未来、一切のブレもないからだ。
まちづくり哲学
駅は玄関、
道は廊下、
宿は客室、
土産屋は売店で、
外湯は大浴場
町是:「共存共栄」
日本全国、どの温泉地も
「温泉の湯」をめぐって、
揉めることが多い。
人間は本来、利己なる生き物だからだ。
でも
「リーダー」に利他の心があると、
「温泉は自分たちのものでなく、
地域の財産」という発想になる。
城崎温泉は
「外湯めぐり」が有名だが、
(ちなみに「外湯」「内湯」を知らない日本人は結構多い...)
城崎では、この売上を
地域全体の財産として
過去、現在、管理されている。
3億9千万円も
地域のために使えるキャッシュ (現金) をプールしている温泉地など、
国内他にあるだろうか。
先日、城崎の名門、
西村屋の
西村社長のお話しを聞いて
これはすごい、と感動しました。
その西村さんのインタビューが
先日の日経新聞に載っていました。
温泉地に人を呼ぶには
まずは、観光地、温泉地間の競争を勝たないといけない。
西村さんがおっしゃる通り
「地域の結束力が問われる。」
もはや
温泉地で結束できないところは
この「競争」に戦えないと思ったほうが良い。
実際に
前述の
「まちづくり哲学」を持つ
城崎温泉では
西村さんおっしゃる通り
城崎温泉では
全75軒の旅館が
それぞれ持っている顧客の情報を一元管理し、
一緒にプロモーションを展開していくことを検討している。
どんな人が訪れているのかを知り、
見込み客を開拓する。
まち全体を『一つの旅館』として経営していく。
本当に素晴らしい。
地域のリーダーシップのあるべきロールモデルが
まさに城崎に詰まっていると思う。
西村さんは続けます。
コロナ後は
訪日客に選ばれるかどうかで
地域間の差が相当に広がるだろう。
我々はトップランナーを目指す。
西村屋さんも
城崎温泉も
いかなる環境変化にも負けることなく
強い観光地、温泉地であり続けるはずだ。
そして
それこそ「地域のリーダーシップ」なのだと
僕は改めて思う。