2017年10月21日 18:42
「インドネシアで500万人以上の人々を熱狂の渦に巻き込んだ小説」の日本語訳で、
2013年現在、すでに19ヶ国語に翻訳されています。
映画化もされ、
延べ450万人が映画館に足を運んだといわれ、
その主題歌 (NIDJI の “Laskar Pelangi”) も大ヒットしました。
ムスリマ先生と限られた友人にのみ読んでもらおうと
アンドレア・ヒラタが書いた原稿を、
友人が勝手に出版社に送ったことから始まったこのサクセスストーリーは、
社会現象を生み出すに至りました。
この作品が多くのインドネシア人に受け入れられた理由は、
この物語の中で描かれる数々のエピソードが、
多くの人々が似たようなことを体験したことのある懐かしい思い出、
風景を感じさせてくれるため。
1998年のスハルト大統領辞任とともに民主化が進み、
そして経済成長著しい近年のインドネシア社会において、
本作はある種のノスタルジー、過ぎ去りし日への郷愁をもって迎えられたのです。
小説の舞台は
インドネシア・スマトラ島の南沖にある「ブリトゥン島 (Pulau Belitung)」です。
天然資源である、錫 (すず) がたくさん採れるのに、
地元民がその「恩恵」に預かることはありません。
苦しい10人の子供たちにとって
結局、曲面を打開できるのは「教育」であり、
個々の「知識」であり、「知恵」なのです。