映画「Winny」を観ました@中日新聞コラム「静岡発こう読む」最終回

中日新聞の朝コラムも
今回が最終回となりました。

2016年 4月から
7年間、通算90回も
書かせていただきました。


ほんと自由に
書かせていただき、
新聞社様には改めて感謝申し上げます。

ありがとうございました。

今、SNSなど、ネット上は酷く荒れていると思います。
匿名者による、
読むのも憚られるような暴力的、差別的な表現も多いです。


ネットのプラットフォームは
ポジティブで
勇気や希望を与えてくれる「場所」であってほしいと心から願います。


そんな願いを込めつつ、
僕の「静岡発こう読む」を
終わりにさせていただきます。
7年間、お読みいただいた読者の皆さま、
ありがとうございました。

最終回は
映画の「Winny」について
書かせていただきました。
URL https://winny-movie.com/



映画「Winny」を観ました@中日新聞コラム「静岡発こう読む」最終回

公開当日に映画「Winny」を見た。
Winny事件 (裁判) とは、
日本のインターネット史において「失望」を示した
重要な事件だったと言えるだろう。

2002年、当時31歳だった若き開発者、金子勇氏
ファイル共有ソフト「Winny」を一般公開した。
のちのブロックチェーン技術の先駆けとも言われる
ピア・ツー・ピア (P2P) 技術を実用化した画期的なソフトであったが、
それとは別に大きな問題があった。

無料で誰もがネット上でファイルを共有することができたのだ。
Winnyを使って、
パソコンソフト、映画・音楽・ゲームのコンテンツなどが大量に違法アップロードされ、
大きな社会問題に発展した。
その著作権侵害額は数千億円とも言われる。
そして、2004年、著作権法違反ほう助の罪に問われ金子さんは逮捕されたのだ。

要は、合法なコンテンツがアップ、共有されるプラットフォームであったなら
何ら問題はなかったのだ。
違法コンテンツをアップロードやダウンロードする者が
著作権侵害者であり裁かれるべきなのに、
京都府警はそのソフトを作った開発者を逮捕したのだ。

以来、金子さんは日本の技術者の未来のために権力と戦った。
開発者がもっと自由に、何も恐れることなく
自分の技術力で新しいサービスを生み出せるように!

そして2011年、最高裁で逆転無罪を勝ち取った。

しかしながら、その 2年後、42歳の若さで
金子さんは亡くなってしまった。

優秀な技術者を生かすも殺すも「社会」なのである。
新技術も新サービスも現行法下で抑えることはあまりに簡単だ。
でもそれでは国は発展しない。
優秀な技術者がどんどん現れ、
どんどん世に新サービスを出してゆける社会にならないとダメだと思う。

私たちは
この「事件」から学ばなくてはいけないところが
多々あると思います。

ここで最高裁判決後の
金子さんの「声」に耳を傾けてみてください。



そして最後に一言...

私のこのコラムも今回が最終回となります。
2016年 4月以来、計7年間、
ありがとうございました。
インターネット世界は既に、
政治や安全保障と深く関わっています。
私たち市民一人一人が、ネットリテラシーを高める努力と勉強が必要です。
「私は苦手なんで...」ではもったいないですよ。
みんなでより良いネット社会の実現を目指しましょう。



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