人工知能 (AI) 時代を生きる@中日新聞コラム「静岡発こう読む」 (通算89回目)

トッティ

2023年02月19日 22:19

今朝の中日新聞 (2月19日付) 朝刊に
コラム「静岡発こう読む」 (通算 89回目)
寄稿させていただきました。



タイトルは
「AI時代を生きる」です。




グーグルが開発したAI 「アルファ碁」が2017年 5月、
中国の世界トップ棋士である柯潔氏に圧勝した。

3戦全勝。

もしかしたら
この時点で
「シンギュラリティ」に到達したのかもしれない。

「シンギュラリティ」とは
AI が人類の知能を超える転換点 (技術的特異点) のことをいう。

そして先日、人間世界に対話型AI 「Chat GPT」が登場した。

作ったのはアメリカの人工知能研究所「OpenAI」だ。
今年に入って約 1万人の解雇を発表したマイクロソフト社 (MS) が
同団体にはずっと投資をし続けている。

その投資規模は
最大 100億ドル (約 1兆 3千億円) との観測も。

そして早速に
MS の検索エンジン「Bing」に「Chat GPT」が実装された。
知性、応対のレベルが今までの対話型チャットとは完全に違う。
もはや専門家の人間による能力レベルの回答である。

学生などは、論文提出の〆切に困った時には
このAIが簡単に諸君の問題を解決してくれるはずだ。

同団体が既にリリースしている画像生成AI 「DALL-E (ダリ) 2」も同様に、
凄まじいAI なのでぜひ試していただきたい。

もはや「シンギュラリティ」のタイミングを迎える今、
いろいろと悩ましい点がある。

現在の IT の戦略分野の一つである、
この「人工知能」の分野、
日本は圧倒的に米中両国と比べて遅れている。

その理由の一つは関連人材の圧倒的不足がある。

今春「データサイエンス系」学部が全国17大学で新設され、
その定員が (たった) 1,900人増やすそうだが、
こんなものでは全然間に合わないだろう。

政府も地方自治体も、
もっと抜本的なサイバー人材育成を
質量ともに育成実行しなければ日本の明日はないのではないか。


次に、益々進む「IT業界寡占」の問題がある。
この問題はかなり混み入ってて
根深い点がある。

結局、技術力あるベンチャーなどは
すぐに資本力潤沢なGAFAM等の
IT大手に買収されてしまうので、
どれだけ行っても、次が出て来ない現実がある。
今年は
各国の独禁当局がさらに監視の目を光らせることになるだろう。
もう少し健全な競争力学が働けば良いと思うが、
どうだろうか。


3つめはAIを使う人間には「AI倫理」が必須となる。
どこで一体、このような教育を
今日本で行っているだろうか。

その教育を子どもたちはじめ、
全国民に対ししっかりしないと、
いずれ恐ろしい犯罪や悪行に、
このAIが使われてしまうことになるだろう。
もはや最近そんなことが多々あるようにも感じる。


全て待ったなしだと思う。


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