2022年07月17日 21:23
「はまぞう」は少しずつ地域に根差していった。
ブログサービスは他にもたくさんあったが、
遠州地域で情報発信するなら、
やっぱり「はまぞう」が一番だ、という感じになった。
2007年にスティーブ・ジョブズがiPhoneを発表した。
スマートフォンの普及に伴い、
インターネットサービスの環境も激変した。
経営環境の変化に対応できない事業者は
即刻淘汰、退場を余儀なくされるのが
ネット業界の厳しさ、業界の掟だ。
「はまぞう」も社内で「スマートフォンファースト」を掲げ、
常にスマホ上でどう見えるかを最優先に
サービスを再設計し直した。
スマホ対応はギリギリ成功し、
一番良い時には月間1千5百万ページビューを超えるようになった。
地域密着サイトとしては成功した部類の一つであっただろう。
「mo*ca」さんはじめ、
良質なコンテンツ (文章と写真) で
多くのアクセスを集める人気ブロガーもたくさん登場した。
しかし、ネットの世界は諸行無常で、あまりに世知辛い。
アメリカからツイッター、フェイスブックが入って来ると、
ネットユーザーの皆さんの心はどんどんそっちにシフトした。
僕たちは「メイド・イン・ジャパン」の国産プラットフォームとして
データやコンテンツを日本企業、地域企業が持つことの
意味、意義を地元自治体など、精一杯喧伝して歩いたが、
力不足だった。
それでいて、僕たちも「はまぞう」をそれ以上に
進化させられなかった。
「ゴジェック」とか「グラブ」のような
地域密着のスーパーアプリに出来切れなかった。
時代は変遷し、
ネット世界は今「Web3」と「メタバース」の時代に突入した。
最近の10年でネット世界はGAFAMなどの
メガテックによる寡占化が遥かに進んでしまった。
それに対する反抗が「Web3」の概念だ。
ブロックチェーン技術を用いた全く新しいウェブの世界だ。
データは個人自らが安全に「トークン」で管理し、
ウェブはより自律的、民主的、参加型になってゆくのだ。